海辺と珈琲ことり

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珈琲から、聴こえてくる音楽(があるようなないような)/Vol.1『WALTER WANDERLEY「Rain Forest」』

湿度の高い、しっとりとした雨降りがつづくこんな夏の終わりには、少し酸味があって

キレのあるすっきりとしたのどごしの、つめたくした珈琲が飲みたくなる。

 

 

たとえばブラジルとかエチオピアあたりの。

 

 

おいしい珈琲をひとりきりで、はたまた気のおけないたいせつなひとと楽しむ時間。

 

 

そんなわずかなひとときをより楽しいものにするために、なにかぴったりくるようなBG

Mもわすれずチョイスしたいもの。

 

 

たとえばさっき言ったブラジルといえばボサノバとか、サンバとか、そんな音楽がすぐに

思いつくけれど、うーむ、なかなかこれがエチオピアといえばコレといったような音楽は

悪いがちょっとパッとは思い浮かばない。

 

 

しかしまぁいいや、それはまた、いつかエチオピアコーヒーにぴったりの音楽が見つかっ

た時の楽しみにとっておきたい。

 

 

そんなこんなをあれこれ考えながら、最近お店でもよく流しているのは、WALTER WAN

DERLEYという人が、VERVEレーベルから1966年に発表した『Rain Forest』というアル

バム。

 

 

カバージャケットのきれいな緑色や黄色なんかがいかにもブラジルっぽく、亜熱帯っぽい。

 

 

エレクトリックオルガンとパーカッションでリズミカルに演奏されるボサノバや、トロン

ボーンでしっとりと奏でられるジャズのスタンダードナンバーは、アイスコーヒーのグラ

スについた水滴や、葉を濡らす雨のしずくのように瑞々しさに溢れているのである。

 

 

 

湿気にもいろいろタイプがあるかと思いますが、日本特有のそれとはなにかが少しちがう、

陽気で大人でドライな湿気とでも申しましょうか、そんなタイプの音楽なのです。

 

 

 

あなたの1日に、おいしい珈琲とよい音楽がありますように。